子連れシンデレラ(1)~最初で最後の恋~
「今日は有難うございました・・・」

「いや…間男になっただけだ・・・」

「そんなコトは・・・」

「じゃおやすみ・・・凛香。何かあれば、連絡してくれ」

「社長・・・」

「柊也でいいと言ってるのに・・・」

「いきなりは無理です・・・」

「そうだな・・・」

クールな筒見社長は何処に行ったのか・・・

「じゃ」

彼は革靴を履いた。
不思議と私の手が彼の袖口を掴んでしまった。

「おいおい・・・」
彼は振り返って、私に熱い視線を送る。
「手が勝手に・・・ゴメンなさい・・・」

「君が泊ってくれと言うなら、泊まるけど・・・キス以上のコトしちゃかもしれないよ」

「それは困ります・・・」

「困るじゃなくて、喜んで欲しいな・・・」

「喜ぶって・・・」

彼は私の頬に手を掛け、キスを落として来た。
甘いキスが濃度を変え、降り注ぎ、腰許が疼き出す。

「俺のハウスキーパーの話真剣に考えておいてね・・・」

「え、あ・・・」

「じゃ今度こそ帰るからね・・・凛香。おやすみ」

彼は短く手を振り、本当に部屋を出て行った。
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