子連れシンデレラ(1)~最初で最後の恋~
「このカレー何だか甘いな・・・」

柊也さんは私のカレーを口に運び、そう呟く。

「ゴメンなさい・・・玲也用に甘口のカレールー使って作ったんです」

「そっか・・・玲也君の味覚に合わせて作ったカレー・・・」

「しゃちょうはママのカレー美味しくないの?」

玲也は美味しそうにパクパクと口に運ぶ。

「もう少しスパイスのきいたカレーばかり食べているから・・・慣れていないだけだ。そうだ・・・凛香。冷蔵庫からキムチ出してくれ」

「あ、はい」

私は腰を上げ、キッチンに向かい、冷蔵庫を開けて、キムチを探して彼の元に持って行った。

「今度は大人用のカレーと子供用のカレー分けて、作りますね」

「そんな面倒なコトしなくても・・・俺達が玲也君と同じモノを食べればいいコトだ」

「でも・・・」

「その方が合理的だ。違うか?凛香」

「いえ、柊也さんの言う通りです」

彼はキムチを食べた後に、私のカレーをスプーンで口に運んだ。

「少しだけ辛くなった・・・君も食べろっ。凛香」

「あ、はい」

私達三人は早めの夕食を楽しんだ。



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