すれちがいの婚約者 ~政略結婚、相手と知らずに恋をしました~
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「中庭でお茶会でもどうかしら?」
そんな誘いを王太子妃から受けて、お昼を過ぎた頃に簡易に準備された中庭へと出向く。
王宮の王族しか利用できない中庭は、コの字に作られた各屋敷に囲まれた空間。
彩豊かな季節の花が植えられて、緑いっぱいだ。
窓から見える明るい陽射しと緑の景色を見るのも、毎日の楽しみだったりする。
久しぶりに気合いを入れたサリ仕様に仕上がった、公女としての姿に自分も気合いを入れる。
華美過ぎず質のいい衣装を身にまとって、王太子妃より先に場所に着く。
自分でも少し緊張しているのが分かる。
義理の姉になるヨウネ様。
姉といえば母国の二人の姉を思い出す。
会えば嫌味の言葉を遠回しに言われ、気付かない振りをして笑うしかなかった日々。
そんな関係しか築いて来なかったため、姉妹とはどう接していいのか判らない。
「ユナ姫様、こんにちは」
「王太子妃、お招きありがとうございます」
挨拶もそこそこに促され、テーブルに座る。
「どんなお茶が好みか判らなかったから、いろいろ用意してみたのよ」
紅茶自体は香りも強くないあっさりとした茶葉で、桃や林檎、檸檬といった果物が豊富に取り揃えられている。
「お菓子も用意したから、ユナ姫の好みを教えてね」
そういって笑う表情が自然過ぎて、気合いを入れた先程までの緊張と違うカタチの戸惑いで緊張した。
「私って一人っ子だったから、義妹ができると思うと嬉しくて」
私のお勧めは林檎かしら、自らの手でお茶を入れてくれるヨウネ様にうまく言葉を返せない。
「大丈夫よ。ゆっくり親しくなりましょう」
そう微笑んだヨウネ王太子妃の入れてくれたお茶は、とても美味しかった。
「中庭でお茶会でもどうかしら?」
そんな誘いを王太子妃から受けて、お昼を過ぎた頃に簡易に準備された中庭へと出向く。
王宮の王族しか利用できない中庭は、コの字に作られた各屋敷に囲まれた空間。
彩豊かな季節の花が植えられて、緑いっぱいだ。
窓から見える明るい陽射しと緑の景色を見るのも、毎日の楽しみだったりする。
久しぶりに気合いを入れたサリ仕様に仕上がった、公女としての姿に自分も気合いを入れる。
華美過ぎず質のいい衣装を身にまとって、王太子妃より先に場所に着く。
自分でも少し緊張しているのが分かる。
義理の姉になるヨウネ様。
姉といえば母国の二人の姉を思い出す。
会えば嫌味の言葉を遠回しに言われ、気付かない振りをして笑うしかなかった日々。
そんな関係しか築いて来なかったため、姉妹とはどう接していいのか判らない。
「ユナ姫様、こんにちは」
「王太子妃、お招きありがとうございます」
挨拶もそこそこに促され、テーブルに座る。
「どんなお茶が好みか判らなかったから、いろいろ用意してみたのよ」
紅茶自体は香りも強くないあっさりとした茶葉で、桃や林檎、檸檬といった果物が豊富に取り揃えられている。
「お菓子も用意したから、ユナ姫の好みを教えてね」
そういって笑う表情が自然過ぎて、気合いを入れた先程までの緊張と違うカタチの戸惑いで緊張した。
「私って一人っ子だったから、義妹ができると思うと嬉しくて」
私のお勧めは林檎かしら、自らの手でお茶を入れてくれるヨウネ様にうまく言葉を返せない。
「大丈夫よ。ゆっくり親しくなりましょう」
そう微笑んだヨウネ王太子妃の入れてくれたお茶は、とても美味しかった。