極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
「景子ちゃんは元気にしている?」


奥様に尋ねられて、私は思わず視線をすっと下に落としてしまった。


「母は、私を生んですぐに亡くなりました」

「えっ」


私の言葉に奥様は驚きを隠せないようで、両手に口を当てて、大きく目を見開いている。そのまましばらく言葉をなくしてしまい、そんな彼女の肩にそっと瀧本社長が手を添えた。


「そうだったのね……」


ようやく発した奥様の声は震えていた。


「笹崎って名字から何となく察してはいたけれど、もしかして景子ちゃんは未婚であなたを生んだのかしら」

「はい。私に父はいません」


生まれたときから父親はいなかった。祖父母も私の父については母から何も教えてもらっていないそうで、私は自分の父親の名前も顔も何も知らない。


「それだと、景子ちゃんはやっぱり彼とは結ばれなかったのね」


奥様の呟きに、私はすぐに反応する。


「もしかして、私の父をご存じなのですか」


俯いていた顔をハッと上げて、奥様を見つめた。

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