極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
「千紘さんはずっと前から私のものなの。あなたになんて渡さないんだからっ!」


玲香さんの怒りが頂点に達したのか、彼女の手が私の肩を押した。

それほど強い力ではなかったものの、先ほどから続いている軽い眩暈のせいで力が入らない私は、そのまま後ろへと転んでしまった。硬い床におしりを強く打ち付ける。


「笹崎さん!」


慌てて駆け寄ってきてくれたのは、受付から私たちの様子を伺っていた西野さんだった。


「大丈夫ですか」

「はい。大丈夫です」


そう答えたものの、お尻を強く打ち付けたため痛みがある。すぐに立てそうにない。

そんな私を見下ろしながら、玲香さんが冷たい声で言い放つ。


「千紘さんとは今すぐに別れて。いいわね」


それだけ告げると、玲香さんは私に背を向けて、足早にエントランスへと歩き出した。
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