極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
「詳しいことはプライベートなので控えさせていただきます」

まだ何か聞きたそうにしている天野室長にぴしゃりと告げて、秘書室を後にしようと彼に背中を向けた。すると、「待て」と呼び止められてしまう。


「そのこと千紘は知っているのか?」

「社長ですか?」

「今夜、笹崎が男とふたりで食事をすること千紘には言った?」

「いえ、言っていません。伝えた方がよろしいのでしょうか」


仕事とはまったく関係のない私のプライベートな予定を、どうして千紘社長に伝えないといけないのだろう。

そう不思議に思っていると、天野室長が首を横に振る。


「いや、いい。言わない方がいい。……いや、でも言った方がいいのか……やっぱり言わないでいいのか。まぁ、あいつがうかうかしていたのがいけないから、自業自得ってやつだな」

「あの、天野室長?」

「あっ、いや。何でもないんだ」


何やらボソボソと呟く天野室長に声を掛けると、彼はまるで何かをごまかすように大きな声で笑った。

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