極上社長に初めてを奪われて、溺愛懐妊いたしました
「実は、人と待ち合わせをしていました。食事の約束をしていたんですけど、私が時間に遅れてしまって。到着した頃には相手の方の姿がなかったので、たぶんもう帰ってしまったのだと思います」


ゆっくりとそう告げると、千紘社長が固い表情で尋ねてくる。


「待ち合わせは何時だったの?」

「十九時です」

「十九時か」


そう呟いた千紘社長の視線が、自身の左手首の腕時計に落ちる。


「もう一時間以上も経ってる。俺の仕事を手伝ったせいで遅れてしまったんだよね」

「いえ、それは……」


そうなんだけど、正直にそうですとも言いづらい。

でも、約束を忘れてしまった私がやっぱり悪いから。


「社長はお気になさらないでください。一度ご帰宅されたのに、わざわざ戻ってきていただき申し訳ありませんでした。私は大丈夫ですので、早くご自宅に戻ってお休みになってください」


そう伝えたものの、千紘社長は私をじっと見つめたまま動こうとしない。
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