秘密事項:同僚と勢いで結婚した


「じゃあ約束事を作るのは?」

「約束事?」

「2人のルール的な」


不思議そうにして顔を傾げるから、私は例として…。


「ほら、『YES NOマクラ』みたいな。したい時とそうじゃない時を明確にそれとなく伝えられるルール作れば良いんだよ」

「……意味なさそう」

「え、そう? 李が流される心配もない簡単なルールを決めれば割と有効的だと思うよ」

「ん〜……まぁ、確かに。『無理です』って口で言うよりもマクラとかの方が良いかも。」

「でしょ?」


我ながら良いアイディアだ。
まあ、私が何か李にしてあげられるのはここまでかな。


だってさ、一番大事なのは…。


「……李と穂高がすれ違わないように、面と向かって話すこと…」

「………」

「それさえできれば、2人は大丈夫」




なんて同僚想いのようなことを言うけれど…。





(穂高に不都合なこと李に言って、後々『余計なこと言うな』って怒られるのとか御免だもんねー)





ただの逃げだったりもする。




がんばれ、李。




応援してるよ。




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