先生がいてくれるなら①【完】

「あ、立花。悪いけど、教室に戻ったら世界史の教科係二人にノート取りに来るように言っといて」


そう言ったのは担任で世界史の福原先生だ。


私はいま職員室から出るところで、そのタイミングで職員室に戻ってきた福原先生に声を掛けられたのだ。



「先生、今から呼びに行っても休み時間終わっちゃいますよ。私で良ければ持って行きます」



たった十分間の休み時間。


いま既に半分経過しているので、残りは五分ほど。


三階にある二年生の教室まで行って戻って来るだけで終わりそうだ。



「そうかー? でもちょっと重いからなぁ」

「大丈夫です、これでも元運動部ですから、筋力はありますよ」

「じゃあお願いしようかな」

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