異能者達の宴~夢の競演特別編~
その呪眼に魔力を込め、私は右手をかざす。

それとほぼ同時だった。

「メグさん、援護お願い!」

黛が倒れたななみ、そして異形者に向かって走り出す!

「ちょ、ちょっと!」

あの化け物に向かって丸腰で走っていくなんて!

黛の命知らずに舌を巻きながら。

「       !」

私は高速詠唱する。

私の右手から放たれたのは、青白い雷撃。

その稲妻が刃となって、異形者の肥大化した左腕に突き刺さる!

『雷刃』の魔術。

どうやら魔術を受けるのは初めてらしく、異形者は怯む。

その隙に。

「ななみちゃん!」

黛が倒れたななみを抱きかかえ。

「!?」

瞬時にしてその場から消えた。

目にも止まらぬ素早い動き、なんてもんじゃない。

文字通りその場から消失した。

完全に姿を消したのだ。

そんな馬鹿な…呪眼でも見切れない動きだなんて…。

一体どんな魔法を使ったの!?

そう考えていた私の隣に。

「さぁ、いきましょう、メグさん」

いつの間にか黛とななみが立っていた。

まるで狐につままれたような気分の私。

そんな私に。

「瞬間移動だ…覚醒者も侮れないだろう?」

哲平が私の肩をポンと叩き、再び走り始めた。


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