Lunatic
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あの事件が起こって三日目。


当然ニュースに取り上げられたが、世間の関心は他の話題に持っていかれていて、今回の事件を大きく扱うところはほとんどなかった。


そしてあれだけの騒ぎを起こしたきっかけとなった体育倉庫は、取り壊されることになった。


また、トラウマになった生徒も多くいた。
ナイフを見ればパニックになる生徒。
教師はその生徒たちのサポートに追われていた。


その結果、野田と小河、瀬畑の三人で病院に向かう。


腹部を刺された千葉が、入院しているのだ。
命は取りとめたものの、目を覚まさない。


誰もなにも言わない。
ただ黙って、千葉の病室を開けた。


「お、今日も三人勢揃いか」


そこにいたのは、千葉の兄だった。


「……心配で」
「そうか」


特に話すこともなく、室内に沈黙が訪れる。


「そういえば」


口を開いたのは、千葉の兄だった。


「宮村も、女子高生も、こいつも。あの体育倉庫に入ったんだって?」


どうしてそう聞くのかわからないまま、三人は頷く。
すると、兄は乾いた笑いをした。


「こいつも呪われたから起きないとか?」
「冗談でもやめてください!」


病院だというのに、瀬畑は声を荒らげた。


「……わかってるよ」
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