俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「なっ…!」
「…おおぉぉっ!やった!…とうとうぶつけてくれる?!やったぁっ!」
その策を告げられて。
何故か拳を振り上げて喜ぶ者と。
「な、何でだよ!何で私じゃないんだよぉぉっ!」
全力で、不服を唱える者がいた。
今まで話を黙って聞いていたから、なおその反論は注目を浴びる。
そんな妹分の様子に、剣軌はコロッと態度を変え、目を細めていた。
「…なずな、何?俺の采配に不満でもある?」
「…あるわ!だ、だって、アイツは羽根を持ってる!飛べるんだ!なんなら空中戦になるだろ!お言葉ですが、接近戦が得意な夏輝くんは不利じゃない?!それをカバーする術力持ってる私の方が…!」
人を蹴落とす勢いの猛アピールに、蹴落とされそうな本人は「ホント、お言葉ですがだな…」と、またまた苦笑していた。
だが、そんな采配をした根拠だってこっちにはある。
「リグ・ヴェーダは攻撃が術力メインで、体術接近戦が苦手だ。体ひょろひょろのへなちょこだし?…だから、夏輝に任せるのは理に適っていると思うけど?」