俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「だから、空中戦になるって言ってんだろ!もし屋外なら飛んで逃げられる!」
「…じゃあ、夏輝も飛べればいいワケだろ?」
「は…」
人間が、飛べるワケないだろ…。
そう喉の奥まで出かかったが、その話にはまだ続きがある。
「哲太」
「ん?」
「リグ・ヴェーダ出現したら、夏輝のフォローをお願いするよ」
「…あ、そういうこと」
医学部在籍で頭の回転が速い哲太は、その一言で剣軌が何をしたいのか察した様子だ。
二人で怪しく顔を見合わせて笑う。
「結界の翼を生やす、ってこと…」
「そういうワケでなずな、おまえは今回は外回りだ」
「むむむむ…!」
「あと、三年前の件は伏線に気を取られたのが敗因だった。だから、そこは警察の二人にも協力をお願いしている。それに備えて真凛は外で拓狼さんと風祭さんと待機。パーティーに出られなくてごめん」
「りょーかい!別にいいでーす!」
「玲於奈は念のために、単身で今から千歳に向かって。そこで橘社長と合流」
「やっぱり若手メンバーに入れて貰えないのデスか」