俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

「そう…とは、言い切れません」

「…えっ」


即答されて、ちょっとビックリした。

まるで、俺の聞きたいことを見透かしていたかのように。



「御父様が…橘社長がそう仰ったのですか?まあ、橘社長は当事者ですし、あの状況ですから、『優さんがやられたのは自分のせい』と思い込むしかない。…優さんに対する長年の罪悪感もありますし?」

「長年の…罪悪感?」

「ええ。…なずなの父、優さんが橘社長の護衛を長年続けていたことは知ってるかな?」

「………」



おじさんが、親父のボディガード。

その事実は、昨日親父に聞いた予想にもしなかったことで。

思い出しながらも、恐る恐ると頷く。



「…もう、30年以上前の話か。優さんがこの地にやってきたのは」



綾小路室長が、窓の外を見て、ふぅ…と息をついている。



「時が経つのは早いね…。橘の家にちょっとした騒ぎがあって、優さんが金沢から単身この地にやってきた。…橘グループの残された最後の大事な跡取りを護るために」


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