俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
何も言えないで固まったままでいると、笑いかけられる。
「…御父様に何をお聞きになったんですか?」
「そ、それは…」
「何か聞きたいことがあったんですよね?御父様にお聞きになって、納得したかな?」
「あ…」
納得したか、というと。
そうとも言い切れない。
でも、過去の話なので、納得するしかない。
の、だけど…。
(………)
親父の話だけで納得したのだったら、こんなにモヤモヤとしていないわけで。
一世一代の告白をも頭からスッポリ抜けるわけがなくて。
綾小路室長のお誘いにも乗ったりしてないわけで。
「…あのっ」
話を…聞いてもらいたかったんだ。
「おじさんがっ…なずなの父親が、入院したのは…本当に親父のせいなんですかっ…」
そして、これから考えなくてはならない。
《そいつのために、自分にしか出来ないことは何か。それを常に考えておけ》
なずなにしてやれることは、何か。
自分にしか出来ないことは…何か。