俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
改めて上空を見上げる。
だが、すでに彼は宝石から離れ、翼をはためかせて舞い降りてきた。
彼が翼を動かす度に、細かく小さな羽毛が舞い散る。
それを不快に感じてしまったり。
「…何?僕の話をしてたでしょ?」
「………」
そんな自意識過剰なセリフを吐きながら、地に足を着けて着地する彼に、絶句するしかない。
その薄ら笑い。
不快なのか、恐怖なのか。
先日の北桜学園の件もあり、警戒せずにはいられない。
「…何故、僕がここにいるのか。こんな晴々とした門出の日にいるのか?疑問に思った?」
すると、彼は声をあげて笑い出す。
聞いてもいないのに、演説のように一方的に語り出した。
「…僕はね?これに用事があるんだよ」
これ、とは。
聞くまでもない。
モニュメントの柱をサワサワと手のひらで擦るように触っている。
なずなの言った通り、そのてっぺんにある超特大宝石に用事があるのだろう。
「…これは『礎の石』、パワーストーン」
「パワーストーン…?」