俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

このお仲間を呼ばれた、相手に戦力が増えた状態が、計算通り?なのか?


まだ理解しきれていない頭を傾げていたら、気がつくと川越さんは相当前に足を進めていた。

立ち止まったその向こうにいたのは。

翼をはためかせて、宙に浮かんでいる黒い翼の彼。



「…暇そうだね。俺が相手してあげようか?」



空中の彼を見上げて、涼しい笑顔を見せている。

彼は、それに「あははっ」と、笑い声で答えている。



「残念ながら、僕もそんなに暇じゃない。…君が暇なら相手を用意してあげるけど?」



そう言って、動き出したのは、またしても黒い羽根。

バサバサと前後に激しく揺らしていると、またしてもあのモヤが今度は左の翼から吹き出している。

まさか、また仲間を?!



「…さあ、菖蒲(あやめ)鬼。彼の相手をしてあげて?」



またしても、人の名前!

…でなくて、黒いモヤの中から出てきたのは…今度はほっそりとした女性だ。

しかし、頭には小さい無数のツノが生えている。肌もラベンダー色だし。

無地のコットンロングワンピースを着ていて、左手には金属の杖を持っている。

魔法使い風?

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