俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
しかも、名前、団十郎…!
人の名前…!
それだけで、変に心臓がドキドキしてしまった。俺のバカ。
その団十郎は、彼に命令されるなり、竜堂に飛びかかっていく。
筋肉で太いその腕と足を武器とし、拳と蹴りを次々と奮う。
「…マジ肉体派か!」
最終の数発をガードしたのち、後退して少し距離を離す。
「…光流!…『尋香行』!」
すると、竜堂の体全体が白く輝き出す。
今までは拳やら足やら、部分的に光っていたのに、今回は全身…!
そして、筋肉ムキムキ団十郎に応戦する。
拳や足を振り上げては防御の繰り返しで、それはまるで、某アニメの戦闘シーンのようになっていた。
「夏輝の『光流』は、部分的に硬質化して術力を高めて破壊力防御力を上げるものなんだ。今の『尋香行』はその全身バージョン」
「はぁ…」
また川越さんだ。聞いてもいないのに、解説してくれる。
「…さて、期待通りになってきた」
「…え?」
「全てはボスの計算通り」
そう呟いて、川越さんはゆっくりと前に出る。
え…計算通り?