俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

そんな弱気な考えが頭に浮かびながらも、記憶を辿る走馬灯はまだ続く。

その中で鮮明に映し出された場面とは…やはり、あの時の記憶だ。



私の13歳の誕生日。

私達の人生を変えた、忌むべき日だ。



あの日…昼間は綾小路先生に連れられて、呉服店芦屋で着物を買ってもらったり、食事したり、先生にささやかなお祝いをしてもらった。

そして夜は、親父の友人であり、ビジネスパートナーである橘社長が、美味しいステーキが食べられるお店に連れてってくれると言う。

しかも、親父の飲み仲間であるflowerのママも私の誕生日パーティーをお店でやってくれるらしい。

同じく飲み仲間なヤクザの木嶋も、親父の幼馴染である警察の拓狼さんも、風祭も来てお祝いしてくれるって。



私は…幸せだ。

ママがいなくても、こうして周りの人達に大切にされている。

感謝の気持ちを忘れちゃいけない。



親父と剣軌はそれぞれ依頼が入っているため、社長と食事が終わったら、このホテルで合流する。

それからみんなでflowerに行くという予定だった。


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