俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
結局、呪を解く方法は見つからず。
どうやら、術者本人の魔力を断つこと…すなわち『相殺』か、本人の死でしか解呪が出来なさそうだ。
《マントラ》の黒翼、リグ・ヴェーダ。
絶対に、許さない。
絶対、何としてもその首を獲る。
…『相殺』は、従者の私には使えない。
だから、その命を奪うしかない。
絶対…殺る。
しかし、『事変』の終結の際、ヤツに魔界へと逃げられてしまい、その術を失った。
親父はずっと眠ったまま。
そんな親父の安らかに眠り続ける顔を見ていると、様々な感情が胸に交差する。
後悔の念、自分だけが生きている罪悪感。
ヤツへの恨みの感情。
絶対に、諦めない。
このまま親父を眠り姫…いや、眠りおっさんにしてたまるか。
ヤツの術中のままにしてたまるか。
私達は、親父のプライドを護る。
例え、解呪した時に、親父が死を迎えようとも。
親父を、ヤツの手から解放させるんだ。
…そんな思いを抱えながら、ヤツを懸命に捜索し、復讐の時を待つ。
でも、無情にも時が進んでいく。
そうこうしているうちに、あっという間に二年は過ぎてしまったのだった。