俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
親父はもう、自分が機動不能になるということをわかってる…!
そんな…嫌だ、嫌だ。
親父が死ぬなんて、嫌だっ…!
悲しみと共に必死で堪えろと言われた涙が、じわりと目に溜まってくる。
ダメだ、泣くな。
そう念じて堪えようとすればするほど、溢れ出して止まらない。
『親父っ…』
俯いて涙を流していると。
『神光』を纏った親父の手は、そんな私の耳たぶに触れる。
『loveyou、なずな…』
…そうして、親父は間もなく意識を失う。
死…と、思われたが、心臓と呼吸が停まる様子はなく。
病院に運ばれて診察を受けると、謂わゆる『植物状態』というものになっていた。
なぜ…?
岩見沢で依頼を受けていた玲於奈をすぐに呼び戻したり、魔術師の弓削先生に見て貰ったり、総本山から調査してもらった結果。
親父には眠りの呪が掛けられていることがわかった。
永遠に眠り続ける。
寿命を迎えても、永遠に。
眠り姫ならぬ、眠り親父となったのだ。
《…【無限の夢】…》
あれが、この眠りの原因の術。