俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「な、何で教えてくれないんだよ。教えてくれたっていいじゃないかよ」
「別にいーだろそんなこと。大したことじゃないんだから気にしなくていい」
「………」
聞きたいのに、頑なに秘密にしようとするその態度に、だいぶムッとくる。
気にするなと言われると余計気になるし。
細かいとか別にとか言われると、なおイラッとくる…!
「………」
「…はぁ?…おいおいおい!」
無言で、テーブル上のフードパックの蓋を閉じて、そのフードパックを取り上げる。
目の前から肉を取り上げられたなずなは、「ちょ!おい!」と、ビックリして手を伸ばすが。
手の届かない距離まで、ひょいと高く持ち上げると、「ああぁぁ!」と悲鳴をあげていた。
「ちょ、ちょ、ちょっと!肉!何で持ってくの!それ、私への差し入れでしょ!ちょ!肉!肉!」
「だって教えてくれないから。肉に夢中になってる場合じゃねえよ!」
「えぇぇっ!」
「あの時何をお願いしようとしたのか教えろ。教えてくれたら肉は返す」
「…んあぁぁっ!」