記憶シュレッダー
このイライラを払拭する方法は一つしかない。


今度こそやるんだ。


子供を、その命を、この手で奪ってやるんだ!!


あたしは荒い呼吸を繰り返しながらキッチンへと走った。


包丁を何本も取り出して握り締める。


子供の心臓を一突きするのに最もふさわしいものはどれか吟味する。


「へへっ……へへへっ。これであたしのストレスは消えて、元通り」


シュレッダーは壊してしまったから、もうこれしか方法はない。


あたしが、元に戻るためには……!


「こっちです!」


玄関からそんな声が聞こえてきてあたしは振り向いた。
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