最後の一夜のはずが、愛の証を身ごもりました~トツキトオカの切愛夫婦事情~
「ごめんごめん。ひとちゃんは本気だもんね」
「……抱き合ったって言ってもあの日だけで、ズルズル続けてるわけじゃないからね」
「わかってる。でも相性がいいってプラスなことだし、ひと晩で何回も燃え上がっちゃうなんて羨ましいよ。発情期のお猿さんもびっくり!」


ぐぬぬ……この子、天使みたいに微笑みながらディスってくるから恐ろしいわ。

麻那はおっとりしているのは確かで、常にほんわかした雰囲気を漂わせている癒し系女子だ。外見も、ストレートロングの髪に清純派アイドルのような顔立ちをしているのだが、時々まったく可愛くない発言をする。

なのに不思議とウマが合って、なんでも言い合えるから貴重な友達だ。とはいえ、今の会話は真っ昼間の社食でするものじゃないけれど。


新横浜駅に近いここエムベーシックの本社ビルには、私たちが働く広告制作会社ジョインプレッションの他、ゲームやメディア事業の子会社のオフィスがいくつも入居している。

従業員数は千名を軽く超えるので、当然社食を利用する社員の数もかなり多い。

誰に聞かれるかわかったもんじゃないが、女子同士の会話は一旦流れに乗ってしまうと止められないものだ。とりあえず、隣の席にいるのは別会社の人だからいいか。
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