最後の一夜のはずが、愛の証を身ごもりました~トツキトオカの切愛夫婦事情~
「んー、パパッとできるっていったら、焼きそば? それかテイクアウトか、レトルト類か、カップラーメン」
「どんどん出しづらいものに……」
提案してくれるのはありがたいけれど苦笑してしまう。社長様の夕飯にカップラーメンを出す勇気はないし、買ってきたお惣菜をそのまま出すことすらもためらわれる。
「毎日手料理が基本だから、ラクしていいのかなって気が引けちゃうんだよね」
「お~、さすが主婦」
これも両親の教えのせいかもしれないが、この一年間ずっとそうしてきた習慣だから、なんとなく決まりが悪いのだ。
感心したような声を上げた麻那は、私に顔を近づけて「でもさ」と続ける。
「ひとちゃんが本当に離婚したいと思ってるなら、もう旦那様にいい顔する必要ないでしょ? 家事も手を抜いたっていいんじゃないかなぁ」
残っている社員に聞こえないよう小声で言われたその言葉で、ああ、そうだったと気づかされる。
約一ヵ月後には離婚するのだ、私たちは。今さらいい妻でいようとしたって、なんの意味もない。そう思い至ったじゃないか。
「どんどん出しづらいものに……」
提案してくれるのはありがたいけれど苦笑してしまう。社長様の夕飯にカップラーメンを出す勇気はないし、買ってきたお惣菜をそのまま出すことすらもためらわれる。
「毎日手料理が基本だから、ラクしていいのかなって気が引けちゃうんだよね」
「お~、さすが主婦」
これも両親の教えのせいかもしれないが、この一年間ずっとそうしてきた習慣だから、なんとなく決まりが悪いのだ。
感心したような声を上げた麻那は、私に顔を近づけて「でもさ」と続ける。
「ひとちゃんが本当に離婚したいと思ってるなら、もう旦那様にいい顔する必要ないでしょ? 家事も手を抜いたっていいんじゃないかなぁ」
残っている社員に聞こえないよう小声で言われたその言葉で、ああ、そうだったと気づかされる。
約一ヵ月後には離婚するのだ、私たちは。今さらいい妻でいようとしたって、なんの意味もない。そう思い至ったじゃないか。