背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
「ねえ、悠麻。お父さんもお母さんも、あんたの事すごく心配しているのよ。お見合いだからってバカにするんじゃないわよ。頼んだわよ」

 姉ちゃんが運転する俺を睨む。

「そんな事言ったって。見合いだろ? お相手に断られりゃしょうがないだろ?」


「断られないように、努力ぐらいしなさいよ!」


「そんな無茶苦茶な。だいたい、結婚なんてするつもりも無いし」


「いつまでも、グチグチ言ってんじゃないわよ。そういう所が、イライラさせるのよね」


「うるせぇなー」


 車をちょいと有名な高級ホテルの駐車場に停めた。
 そう、康介さんが営業部長として働くホテルだ。

 この時、この出来過ぎたストーリーに、俺は気づくべきだったのだ…
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