背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
「そうか? いいエスコートだったと思うけどな? そもそも、誰かと付き合うなんて、想像もつかなかったからな……」

「よく今、こんな生活送っているわね?」

 少し、嫌みっぽく言ってみた。


「本当だな…… 以前の俺じゃ考えられないよ。だけど、この生活が落ち着くんだ……」


 彼の手がすっと伸びてきて、腕ごとぐいっと引っ張られると、私と彼は向き合う形になった。


 「美月は、あんなに嫌だった俺と、今どうして一緒にいるんだ?」


 少しだけ不安そうな彼の目をじっと見つめる。
 
 私が自分で選んで、自分で決めたこの生活……



「私にだって良く分からない。 でも、仕方ないじゃない、私、あなたといると幸せらしいのよ……」


 彼の手が、そっと私の手に重なった。

 軽く持ち上げられた私の手の薬指に、金色のリングがそっとはめられていた。


「罠にはまったような見合いだったけど、これは俺が決めた、俺の意志だから…… 俺も、美月といると幸せらしいんだ……」

 私は彼の首に抱き着いた……

 彼が、私をぎゅっと抱きしめた……


 あり得ない見合いから、有り得ない結果になったけど、きっと、私達は幸せなんだ!


                     「完」
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