背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
 腕を組んで歩いている彼が、やさしく笑いかけた

 この笑顔を始めて見た時、作り笑いが胡散臭いと思った。
彼が私に向ける笑顔が変わったのだろうか? 
それとも、彼の笑顔を見る私が変わったのだろうか? 
今は、この笑顔が結構好きだ。


「俺、けっこう幸せかも」

「私も、幸せよ」


「きっと、迷ったり、悩んだりする事もあると思う。その時は、思い出そう。俺達が見合いした時の事」


「そうね。喧嘩した時は、もう一度、背中合わせからはじめましょう。また、きっと向き合えるもの」


 私達は、そんな風に歩いていく気がする。



「まあ、どうしましょう。結婚式だと言うのに、こんな格好で来てしまったわ」

 ママの声が、教会に向かう廊下に響いた。

「大丈夫だよ。それだけ着飾っていれば、何も問題ないだろ」

 パパが、流し目でママを見た。

「そういう事じゃないんです! 新しい留袖を買って用意しておいたのに……」


「わたくしもですわ。まさか、今日、お式になるなんて思ってもいませんでしたもの。新郎の母が、こんな格好なんて…… あっ。友梨佳、あなた、そんな素敵なドレス着て。分かっていなら教えなさいよ」

「ママ。その青いスーツ、十分目立っているわよ。こっちは、今日の準備にてんてこ舞いだったんだからね。文句言わないでよ」

 教会を目の前に、騒がしい声が響いた。


 私は、彼と並んで、雲一つない青い空を見上げた。


   背中合わせの、その先に…… 「おまけ」 『完』


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