しかくかんけい!



……キーンコーンカーンコーン。

一日の長い授業が終わり、ザワザワと騒がしくなる教室。


「しょーくぅ〜ん♪」


作ったような高い声が降ってきた。

女3人が、カバン片手にこちらへやって来る。


その先頭にいる谷間を見せつけるように襟ボタンをいくつも開けた女が、俺の隣の机に座った。

それ椅子じゃないよ、机だよ。


「うちら今から文化祭の買い出し行くけど、一緒にどぉ?」


うわ、めんどくさそう。

っていう本音は包み隠して、俺も偽りだらけの優しい声で王子様らしくセリフを放つ。


「誘ってくれてありがとう。でもごめんね、今日は用事があるんだ」

「そんなぁ〜」


残念そうに真っ赤な唇を尖らせて、俺の耳に不快音を響かせる谷間女。

聞くに耐えず俺は立ち上がり、やんわりと谷間女をかわして教室を出る。

そして一番近い中庭の自動販売機へ向かった。




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