しかくかんけい!
「手、貸して」
「ど、どうしたの急に…」
「あたためてあげる」
そう宣言した君は間髪入れずにぱし、と私の手をふたつまるごと掴んだ。
大きな片手で、包み込んだ、けれど。
「ふふっ、変なの」
「へん?」
思わず笑っちゃうよ。
だって、だって。
「しょーくんの手、冷たいくせに」
ひやり、と、冷たさが伝わった。
「あー……たしかに」
ふっ、と君も笑った。
笑って、あっけなく手を離して。
離して、じゃあ、と言って。
そうしてすぐに、ぎゅっと。
「っ!」
ぎゅっと。
「これならあったかいでしょ」
ぎゅっと、抱き寄せる。
どくん、と、心臓が跳ねた。
すると、スピーカーからプツ、トントン、と音がして、穏やかなBGMが流れる。
──新年まで、15秒前でーす!会場のみなさん、心の準備は整ってますか〜?──
明るい女性の声がアナウンスした。
私の左胸の爆音をごまかすにはちょうどよかった。
──じゅー!きゅー!はーち!なーな!──
アナウンスに合わせて観客たちは声をそろえる。