しかくかんけい!


闇になる。


きらめくじゅうたんが、おもちゃみたいな列車が、小人みたいな観客が、もたれているこの鉄柵が、ここにいる私たちが。

一瞬で黒に、包まれる。


消灯した。

さっきまでの明るさがうそみたいに、辺りは真っ暗だった。


わあ、と眼下の歓声がここまでこだました。


「びっくりしたあ!」

私も思わず声を上げる。


「1分前だ」

しょーくんの顔がスマホの明かりに照らされる。


「はじまるのね、カウントダウン」

愛莉の声は私と一番遠いところから聞こえる。


「もうすぐ年が明ける」

そらくんがしみじみといった声色で言う。


だんだんと目が慣れてきた。

静かな藍色は沈黙を保ったまま、白くない雲が通り過ぎるのをただ見守っていた。

ここから月は見えない。



冬の空気が4人のあいだをすり抜けた。

端っこにいた私は少し寒くて、隣の君へもっと近づく。


「寒いなあ」


はあ、と両手に吹きかけるけれど、視界が白くなって余計に冬を誇張した。



「ほら」

「え?」


まだ闇に慣れたばかりの目で認識できたのは、しょーくんの右手。





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