しかくかんけい!
雨のち不安
■■ 愛莉side ■■
ゴールデンウィークが明けた。
久しぶりに学校の門をくぐる。
屋根より低い鯉のぼりたちはもう役目を終えて、生徒会室のベランダに干されていた。
毎年あれ生徒会が飾っていたんだーとか考えて歩いていたら、わっ!と背中を叩かれる。
「ビックリした?」
ひょこっと飛び出した声の正体は、やっぱりハナだった。
「おはよう、ハナ」
そう言って微笑むが、ハナは残念そうに口をとがらせる。
「おーはーよっ。も〜相変わらずクールな愛莉〜!」
「ハナが元気すぎるのよ。連休明けなのにすごいわぁ……」
わぁ、で口を押さえてあくびする。
「あー、ずっと学校行ってたからね〜」
「そうなの?」
聞くところによると、初日以外はほぼ毎日部活へ行っていたらしい。
連休中の部活は自由参加だったので、私は初日だけ行って、残りの休日は家族と遠出した。
今月末にあるソロコンに向けて、どうやらハナは忙しいみたいだ。