SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
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忘れてたけど、今日は満月だった。

今は部屋に二人きり。

座った体勢で、抱えこむようにしながら、湧人が後ろから抱きしめている……



「……湧人。 満月の、一緒にいるって約束……覚えててくれたんだね」


「当たり前だろ? 忘れる訳ない」


耳元で聞こえる湧人の声。

伝わる優しいぬくもりに安心感が広がってゆく……


「大丈夫? つらくない?」

「うん」


どうでもいいけど、良かったと思う。

おとといのおかしな雰囲気と違い、今はいつも通りの湧人がいる。


「……やっぱり不思議……」


窓から見える満月を見ながら、あたしはそっとつぶやいた。


「……ん?」


「前も思ったけど、そのGアンチの力……本当になにも反応が出なくなる。 湧人はすごいね」


「別にオレは……全然、自覚ないし」


「ううん、すごい。 むしろ5年前よりすごくなってる気がするんだ。 おとといの時に、思ったんだ……」


「美空の役に立てたなら良かった」


首を動かした湧人の息が耳にかかってくすぐったい。


「……でも、」


続く言葉にあたしは意識を傾けた。
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