SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

「だって校内一のバカだって、チャンスくれって頼むから。 ESPであたしが一番になろうと思ってたけど不安定になっちゃって……」


「……たく、よく考えもしねえで安易に動くからそんな事になるんだろうが!」

「佑影っ、」


「自業自得だな! てめえの事はてめえの力で何とかしろ! 人に何でも頼るんじゃねえ……!」

「ちょっと佑影っ!」


「……うん……」


佑影の厳しい言葉にシュンとする。

湧人に佑影の秘密を話したのが原因で、佑影はずっとあたしに不機嫌なままだ。


「……そうだよね。 自分の事は自分で何とかしなくちゃね。 ……ごめん、 二人に頼ろうとして……」


「…………」
「美空っ、気にしないでっ……」


「あたし頑張る。 ちゃんと自分の力で一番になる」


あたしは机の中から何冊か教科書を取り出して、文字の羅列と睨めっこした。
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