SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

「お願いされて付き合うほどオレはお人好しじゃないし。 なにより、オレはオレが好きになった人と付き合いたい」


「「「……っ……」」」


唇をかみしめ涙目になる女の子、

なぐさめるように他の二人がその子を連れて去ってゆく。


——パタン。


やがて閉じた屋上の扉。

妙な静けさに包まれる……


“ ジリリリリリッ……!”


突然のけたたましい音が湧人の体をビクッとさせた。


「……えっ⁉︎ なに⁉︎」


やっとこっちを見る湧人。


……あ、 目覚まし。


ベルを止め、あたしはノロノロ起き上がる。


「……っ! ……美空⁉︎」


気付いたのか、湧人がすぐに走ってきた。


「おはよう湧——」
「どうしたの美空っ!」


……?

なんかあたしを見た途端、湧人がすごく慌ててる。


「……なにが?」


「それっ、髪も服もっ……なんで焦げてるのっ!」


「……あ〜、 これは昨日、 アパートが火事になって……」


「……えっ、火事⁉︎」


「うん。 すごく眠ってて気付くの遅れた。 もうちょっとで丸焼けになるところだった」


「……っ、大丈夫⁉︎ ケガは⁉︎ やけどしてない⁉︎」


「ケガもやけども大丈夫」


「……ハア〜、」


ため息を吐く湧人。
顔は未だに険しいまま……
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