SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

「それで何で……もしかしてここで寝てたの?」


「うん。 今日からここに住もうと思って」


「……はっ⁉︎」


「だって水もあるし、 生活するには困らない」


「……っ、 困るだろ! 着替えは⁉︎ 食事はどうするの⁉︎ 持ち物だって何も見当たらないけど?」


「あ〜そっか。 じゃあ、どうしよう」


首をひねるあたしの前、湧人は再び息を吐く。

それでもすぐにあたしと目を合わせ、


「オレの家に来なよ」


そうあたしに提案した。


「……え?」


「だって、ここじゃとても生活出来るとは思えないし。 このまま美空を放っておけないだろ?」


「……でも……」


「実はずっとそうしたいなって思ってたんだよね。 その方がオレは安心だし、もし何かあった時、いろいろ手助けも出来るだろうし」


「……だって、 いいの? 湧人に迷惑じゃない?」


「全然。 オレは大歓迎。 むしろ嬉しくて仕方ない」


ニコリと笑う湧人。

あたしもつられて笑ってる。


「……じゃ、 帰ろっか?」


湧人があたしの手を取った。


「……え? もう? 学校は? まだ授業前……」


「今は学校どころじゃないだろ? 美空、服とか髪とか焦げてるし、そんな格好じゃ授業なんてとても……」


「髪はちぎっちゃえば何とか……」


「あっ、だめだよ! あとでオレがちゃんと切るから!」


「……う、ん……」


「えっと、必要なもの……制服も持ち物も揃えなきゃいけないし、あとは……」


考えながら湧人は歩く……

その後は人に会わないようにコソコソ隠れながら、あたしたちは学校を出た……
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