SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
……あ。
生徒会長はすぐに見つかった。
一階の中庭へと続く長い廊下、途中の休憩所みたいな、雑にダンボールが積まれた場所で行き倒れている……
「……あの〜、」
……返事は、 ない。
「あの〜もしもし! 火事ですよ!」
適当にそんな事を言ってみると、パッと頭が持ち上がった。
「……⁉︎ ……ああ? お前……」
あたしを見るなり生徒会長はゲンナリとした顔をする。
その風貌は以前とはまるで違っていた。
ボサボサの髪、色艶のないくすんだ肌と不精ヒゲ……
やつれたような、やる気のないような、諦めたような、投げやりのような、全体がもうどうでもいい感じになっている。
「……あのさぁ、」
近付くと嫌なニオイが鼻をついた。
お酒とタバコと汗と生ゴミ……それらが発酵したような、なんともすごい悪臭に、あたしは思わず息を止める。
「……なんだ?」
うつろに見上げる生徒会長。
「……ああ、うん。 あのさぁ、お風呂に入った方が……いいよ」
あたしは、まずは思った事を口にした。