SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
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——昼休み。


「……う〜ん……」


あたしは、どうしたものかと悩みながら歩いていた。


『お願い! 先輩を助けて!』


さっきの女の顔が目に浮かぶ。

女は前に一度、お昼を一緒に食べたいとあたしを誘ってきたやつだった。

結局、女に別の場所、生徒会室に連れて行かれ、それっきりだったけど……


「……えっと……」


整理するように、あたしは女の言葉を思い出す。

グリムが言うように生徒会長はだいぶ激変したらしかった。

何がどう変わったのか、聞いてもよく分からなかったけど、前の生徒会長とは明らかに様子が違うらしいし、それになんかクサイという。


あたしは別に、あいつがどうなろうとクサかろうと、そんなのはどうでもいいんだけど……

涙ぐむ女の方が気になった。

前に会った時はケバケバしくて、どこかツンケンしたような態度だったけど、さっき会った時はシュンとしてて、元気がなくて、切羽詰まったような感じだった。


『お願い! 先輩を助けて! こんなこと頼めるのアナタしかいないの! お願い!』


女は何度もあたしにそう言った。

助けてって、どうすればいいのか分からないけど、とりあえずあたしは捜索する。

生徒会長の姿を捜した……
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