SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

————ズボォっ!!


「……きゃああああ〜っ!!」
「おいっ! 人が落ちたぞ!」
「なんだっ!! 自殺かっ!!」


下に降りると辺りは一時騒然となった。

というのも、あたしが無事に着地出来ずに植え込みの木に突っ込んだからだ。


「……失敗した……」


つぶやきながら、スポン! とまんまるの木からようやく抜け出す。

中庭にいたみんなの視線が集まっているけど、気にせず体についた葉っぱや土を払い落とす……


「……ちょっ、美空っ!」


慌ててグリムが駆け寄ってきた。


「……あれ? グリム、どうしたの?」


「どうしたのじゃないよっ! なんでこんなっ……何で上から落ちてくるのっ⁉︎」


「……あ〜、 だって……」


「あんまり目立った事はしちゃいけないって言われてるでしょ⁉︎ なのにっ、」


「……ごめん。 でもアイツが——」


————ドクンッ!


また違和感に襲われた。

この間よりもいっそう大きなソワソワ感、

右手の平が一瞬ジワッと熱くなる……


……⁉︎

右手を開いて見てみるも、そこにしるしは浮かんでいない。
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