SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
「……なに? どうしたの?」
「……あ〜、 なんか、 今……」
そんな中、一人の存在が目に映った。
……え……
すごくきれいな顔の少年がいる……
その様子は明らかに他の生徒たちとは違っていた。
「……っ……」
息を殺すような強張った表情……
少年はこちらに視線を固定したまま、緊張したように歩いてくる……
……⁉︎
……あ、れ……
ドクンドクンと鳴り出す心臓。
訳が分からなくて、あたしは首を傾ける。
“ ドクンドクンドクンドクン……”
「……きみ、 ……名前、は……?」
目の前まで来ると、少年は少し震える声で聞いてきた。
「……あ、 ……えっと——」
——!
瞬間、あたしの視線が貼りついた。
……銀の、 瞳……?
少年の瞳はとてもきれいな銀色をしていた。
隣では「きゃ、王子!」とグリムが小さな悲鳴をあげている。
……王子……?
……この、 少年が……
「……名前、は……?」
再び口を開く少年。
あたしはぼーっとなりながら、
「……あまつか、 みく……」
自分の名前を口にする。
……と、
「————っ!!」
少年は大きく瞳を見開いた。
息が止まったようにそのまま動かなくなる少年、
その顔はまるで信じられないものでも見たように最大限の驚きの表情を固めている。