SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
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帰りは一樹が家まで送ってくれた。

近所だからいいとあたしはいつも断るのに、わざわざ車を出してくれる。

案の定数分ほどで着いてしまい、話が途中だった事もあり、空いていた駐車場に車を停め、あたしは一樹と話してる。


「それで、その後、しるしの役目の方はどうですか?」


一樹が話題を変えてきた。


「あ〜、それが、まだ分からない」


「……そうですか……」


実は、しるしの力がよく分からない状態になっていた。

というのも、目が覚めてから最初の一か月は、全くしるしの反応はなかった。

たぶん前にも経験した、しるしの力の使いすぎによるショック状態かと思われたが、それでは満月の法則が当てはまらない。

それならカイドウたちを倒した事で全ての役目を終えたのか、一樹たちは話していたけどそれもすぐに違うと分かった。
 

起きて二か月経った頃、あたしは突然しるしに呼ばれたのだ。

それは家出少女の捜索や、飛び降り自殺を阻止するなど、事件としたら割と軽いものばかり。

しかも反応したりしなかったりで、すぐそばで事件が起こっているにも関わらず反応しなかった事もある。

だから一般社会で起こる凶悪犯罪のほとんどは今は鬼頭会が片付けていた。
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