花鎖に甘咬み
「んー! んー!」
よろしくするつもりはないけれど、とにかく、ともかく、口のテープをはがしてほしい。
それからくくりつけられている手足も自由にしてほしい。話はそれからだ。
なんとか逃れられないかと身をよじってじたばたするけれど、ガタガタと音が鳴るだけで。
「悪いけど、もうちょっと我慢してもらうよ。純圭サンがここに来るまでここでじっとしてくれてないと困るから」
スミカさん、って誰……?
もうなにがなんだか、と困惑していると青葉さんがミユキさんに向かって口を開く。
「つか、コイツ目覚めたこと、純圭サン知ってるわけ?」
「あー……、そういや、連絡するの忘れてたね」
肩をすくめたミユキさんが、突然くるりと背を向ける。
そして肩越しに。
「純圭サン呼んでくる。その間、アオがその女見張っときなよ」
「は? 呼ぶってここにかよ」
「ここ以外にどこに呼ぶわけ」
「いや……だって、純圭サンって」
「いいんだよ、純圭サンが呼べって言ってんだから」
箱のような部屋にも、扉はちゃんとあったらしい。
ミユキさんがそれを押し開けて出ていく。
そして青葉さんとふたりきりで残されてしまった。
「おい」
わ、私……?
青葉さんにいきなり声をかけられるけれど、当然、返事なんてできるはずもない。したくったって物理的に塞がれているんだもの。
おろおろとしていると。