竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~
「うん。だって、ミレイナひとりじゃ大変だし、お休みもとれないじゃない」

 頬を膨らませるリンダを見て、ミレイナは口元を綻ばせた。

「ありがとう」

 確かに、一人で魔獣係をしていると休める日はない。本当は魔獣係なんて絶対にやりたくないはずなのに、リンダの気遣いが心に染みる。
 お礼を告げてから、ミレイナはふと思いついた。

「そういえば、ラルフ様って会いたいと思えば普通にお会いできるものなの?」
「ラルフ様? 無理よ。だって、ジェラール陛下の側近よ? メイドでも皇宮区の侍女役だったらお会いすることができると思うけど、私達は無理だわ」
「そっか」

 ミレイナはがっかりしてシュンとした。
 実は、今日一日魔獣の保護獣舎で過ごして、彼らには圧倒的に遊び場が足りないと感じた。

 四匹ともまだ子供。遊びたい盛りだ。
 それをあんなに狭い空間、薄暗い室内に閉じ込めておけば、イライラして魔獣係にいたずらしてしまうのも理解できる。

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