竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~
 だから、ミレイナは獣舎の周囲の空き地に柵を作って遊び場を作りたいと思った。
 メイド長には「何かをしたいときはラウル様に伝えるように」と最初に説明されているので、どうにかして会えないかと思ったのだ。

「うーん。私達はメイドの中でも最下位のだから、ラルフ様の約束を取り付けるのは無理よ」

 事情を話しても、リンダややっぱり無理だと首を振る。

「皇宮区の侍女役のメイドにお願いすれば約束が取り付けられる?」
「可能だとは思うけど、多分引き受けてくれないわ。皇宮区の侍女役のメイドの人達って、私達のことをすっごいバカにしているから」

 リンダはむうっと口を尖らせて前を向く。
 まだ働き始めて数日だが、メイドに階級があることはミレイナもなんとなく気付いていた。
 断片的に聞いた話では、竜王陛下や高位の文官の侍女役を務めるメイドは貴族出身の令嬢が多く、ミレイナがやっているような魔獣係や清掃係は平民出身者だ。

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