竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~
 今日も異常はなく、四匹の魔獣はミレイナがオーケーを出すと元気に遊び回っていた。

(さてと。先に獣舎の中の片付けでもしようかしら)

 ミレイナは魔獣達が外で遊んでいる間に、屋内を清掃することにした。黙々と作業をしていると、エミーナがミレイナの様子を見に来た。

[ミレイナは遊ばないの?]
[ええ、先にお掃除しちゃうわね]
[私、またこの前の遊びしたいわ]

 エミーナはミレイナの足下にちょこんと座る。
 先日、ミレイナはフェンリルの鼻のよさを利用して『探し物ゲーム』をした。ミレイナのハンカチを屋外も含めた広い魔獣の保護施設のどこかに隠し、それを彼らが探してくるという遊びだ。エミーナはすっかりとこの遊びが気に入ったらしい。

[じゃあ、また後でやりましょう]
[本当?]
[ええ。約束ね]
[やったぁ!]

 エミーナはぴょんぴょんとその場でジャンプをして喜びを表わす。しかし、ふと動きを止めると鼻をひくひくとさせた。

[血の臭いがするわ]
[血?]

 ミレイナは箒を持っていた手を止めて眉を寄せる。

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