竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~
「!?」

 ジェラールは我が目を疑った。
 今、ミレイナの頭にあるはずのないものが見えたのだ。

 ミレイナは慌てたように脱げかけたケープを被り直す。

(まさか……な……)

 ジェラールは恐る恐る、ミレイナを支えているのとは反対の手をミレイナの頭へと伸ばした。ぽすんとケープは頭の形に沿って潰れる。

「あの……、陛下?」

 ミレイナは硬直したまま、ジェラールを見上げている。

「支えてくださりありがとうございます。もう大丈夫です」
「あ、ああ」

 ジェラールは慌ててその体を腕から解放した。クレッグはストンとミレイナの背中から下りて、ジェラールの足に抱きついてきた。

「伯父上!」
「探したぞ、クレッグ。無事でよかった。話は戻ってから聞こう」

 ジェラールはひょいとクレッグを抱き上げる。ミレイナのほうを見ると、何事もなかったようにケープを被ってこちらを見つめていた。

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