竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~
 こちらを見つめていたジェラールが少しがっかりしたように嘆息する。太らせられないのがよっぽど残念なようだ。

 青菜を皿に戻したジェラールは今度は両手でミレイナを抱き上げ、肘を折ってそこに乗せて胸に寄せるように抱きかかえると、空いている片手で背中を撫でてきた。

「本当に小さいな……」

 小さな呟きが聞こえる。

(ひいぃぃ! 確認してるわっ! 重さと太り具合を確認してる!)

 これは、絶対に太るわけにはいかない。太ったら最後、命がない。
 ミレイナはこの日の夜、ひもじさを我慢して泣く泣く食事を諦めたのだった。
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