竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~
 ラングール国には親切な人もいれば、嫌な人もいた。
 つまり、彼らはミレイナ達アリスタ国民となんら変わらない。

「ふーん。でも、なんでそれなら、そんなふうに『野蛮』とか『残虐』とか言われているんだろうね。ラングール国の竜王なんて『白銀の悪魔』だもんね」

 マノンは持ってきたパンを千切りながらふーむと唸る。

 実はそれは、ミレイナもずっと気になっていたことだった。

 ミレイナはその噂を信じておりラングール国の人々が野蛮で粗暴なのだとずっと信じ込んでいた。けれど、実際に彼らと接して竜人も普通の人間も同じなのだと知っている。

 それに──。

 竜王が冷酷非道な悪魔だというのは完全な間違いだ。
 確かに冷淡に見えるし口調は素っけないところが多い。けれど、仲間思いで優しい人だった。

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