センチメンタル・ジャーニー ~彼を忘れるための一人旅

私は 奏斗のことが 大好きだった。

今でも……


「葉月 仕事 楽しい?」

「うーん。楽しいっていうほど まだ 余裕ないけど。」

「そう?いつも 葉月 生き生きと 仕事してるから。」

「最近は 少し 責任のある仕事も するようになったからね。」

「仕事してる葉月 見ると なんか 嬉しくなるんだぁ…」

「えっ?どうして?」

「どうしてだろう?葉月が 頑張っているのが わかるからかな。」

「だから奏斗 よく事務所に来るんだ?」

「それは 仕事だから…でも 少しは あるかな。葉月に会いたいっていうのも。」

「フフフ…」

「何だよ?その余裕の笑顔は?」

「ううん。私も 奏斗が来ると 嬉しいから。」


奏斗は 私の頭を 胸に抱く。


あの日 カンナさんから 電話がくる前は

甘い空気の中に 2人で いたのに。







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