センチメンタル・ジャーニー ~彼を忘れるための一人旅

部屋に戻って 私は スマホの電源を 入れた。

明日行くつもりの モスクを 調べようと思って。


電源を入れると やっぱり ラインが気になる。

アイコンの上の数字は 57に増えていた。


奏斗以外の人からも 連絡が入っているかもしれない。

私は 思い切って ラインを開く。


57のうち 51は 奏斗からのメッセージ。

残りの6個は 職場の先輩と 母から。


私は まず 母のラインを開く。

『どこにいるの?工藤さんって人から 電話があったよ。』

昨日の夜 届いていたメッセージ。

奏斗は 私の実家に 電話したんだ…


どうやって 電話番号を 調べたんだろう。


母に 返信する前に 川村さんのラインを開く。

川村さんは 私より3才上の 同僚で。

職場では 一番 仲の良い先輩。

『急に休んで どうしたの?』

『工藤さんが来て 所長と話してるよ。なんかあったの?』

『どこにいるの?連絡ちょうだい』


残りの2つは 所長から。

『町田さん 行方不明だって?』

『工藤君に連絡してあげて。心配して 捜索願出されるよ』


捜索願の言葉に ドキッとしながら

私は 奏斗以外の人に 返信した。







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